LCCは世界各国で様々な航空会社があります。中でもアメリカでは大陸が非常に巨大なために同じ国なのに、日本みたいに車でえっちらこっちら移動していたらとてつもない時間がかかります。日本では新幹線の陸上交通機関で日本全国を結べますが、アメリカの鉄道は今やお話にならない状況なので飛行機移動が中心になっています。(もちろん都市間移動には高速バスが一番安上がりです。)今回は、アメリカの航空事情とアメリカで絶大な支持率を起こるサウスウエスト航空をご紹介します。
アメリカの国内線事情
アメリカの航空会社
アメリカ国内線およびカナダ方面の国際線を飛ばしている会社はかなりたくさんあります。中でもユナイテッド航空・アメリカン航空・デルタ航空はそれぞれのアライアンス(航空連合)と連携しているので日本の方でも名前を知っている方が多いと思います。日本の空港にも飛行機を飛ばしていますし、ANAやJALで航空券を購入すると、コードシェアをしていたり同じアライアンスだったりと提携しているのでまずこの三社のいずれかの便に乗ることが多いと思います。
フルサービスキャリアでも荷物が有料!?
実は、アメリカ国内線ではデルタ航空やユナイテッドのようないわゆるフルサービスキャリアであっても手荷物の受託が一つ目から有料になります。一つ目から25ドル、2つめは追加でさらに35ドルと大体料金が決まっていますが、2つ預けてしまえば70ドルです。大体1万円追加で料金がかかってしまいます。原因はアメリカでLCCを含めた航空業界の価格競争が影響しているようです。アライアンスの上級会員であれば無料のところもありますが、なにもない場合は当然特典航空券での引き換えでも受託手荷物料金がかかってしまいます。
こういうこともあり、アメリカの国内線ではみんなこぞって機内に手荷物を持ち込む乗客ばかりだそうです。このことにより、まず空港の保安検査場が混雑を増しており、ただでさえ厳重なアメリカの保安検査場なので待ち時間の増大が激しいようです。また、機内は荷物を収納する乗客で溢れ、オーバーヘッドコンパートメントに入り切らない荷物を貨物室に預け直すなどで出発の遅延が頻発しているようです。
アメリカでの乗り継ぎは入国必須
アメリカの空港では乗り継ぎの際は必ず入国しなければなりません。たとえ国際線で別の国に乗り継ぐ場合でも例外なく入国審査・税関を通らないといけません。なので、最初についたアメリカの空港では必ず受託手荷物をピックアップして再チェックインする必要があります。また、空港の構造によっては国際線からの乗り継ぎであっても保安検査を通過しないとゲートまでたどり着けないところもあります。
LCCの普及
始まりはアメリカとヨーロッパの間にある大西洋を渡る国際線から始まりました。機内食等の機内サービスを省略した上で割安な運賃でバックパッカーなどの個人旅行客に支持を集めました。当時は航空会社の協会のようなIATAという団体が各航空会社の運賃を高止まりさせていた時代です。IATAカルテルと呼ばれるこの事象によって運賃がいつまでも下がらない状態でした。そのうち、IATAに入らない航空会社が出てきて、価格崩壊が起きたことから次第にこのカルテルがなくなっていきます。
このときに、LCCとして初めて成功したと言われる会社がありました。これがサウスウエスト航空です。次にサウスウエスト航空について解説します。
サウスウエスト航空とは
サウスウエスト航空はアメリカの南西部を中心に開拓していき、今やアメリカ全土にまで拡大している航空会社です。
サウスウエスト航空は他の航空会社にはない様々な特徴があります。
座席は全席自由席
なんと、サウスウエスト航空は搭乗券に座席番号が記載されていません。サウスウエスト航空は全席自由席。座席のグレードもなければ、当然座席指定料金やビジネスクラス料金などもかかりません。
航空券には入場整理番号が「アルファベット1文字+数字」が書かれていて、この順番で搭乗します。
入場整理番号の順番は入場番号が確約された高めの運賃の人がまず先頭から埋まっていき、次にチェックインした順に整理番号が発行される先着順です。24時間前からできるウェブチェックインで早めにチェックインすると整理番号が早いものをゲットできます。ウェブチェックインできなくても早く空港に到着してチェックインカウンターに急ぎましょう。早い整理番号を獲得すれば自分の好きな席を選ぶことができます。
ウェブチェックインを皆さん行うので空港カウンターの混雑が緩和されます。
また、整理番号に搭乗開始前についておかないと飛ばされてしまいますからみなさん搭乗ゲートの集合が早いです。便の遅延が圧倒的になくなるので、高頻度運航ができるわけですね。
受託荷物は2つまで無料
フルサービスキャリアでさえ有料の受託手荷物が2つまで無料で預けられます。当然寸法や重量超過は別料金ですが、日本人が使う場合大体旅行の方が多いと思いますからこれは大変便利なサービスです。
これによって利用者みんなが機内に持ち込む荷物が少なくなるので、搭乗者全員が素早く座席に着席できます。これによって便が定刻前に出発できるので便の遅延が少なくなり高頻度運航が可能になります。
航空券販売は公式サイトのみ
販売は公式サイトのみです。エクスペディアなどの販売代理店を経由せずに販売するので価格比較をしなくてもよくなります。買いたいときに一発で買えるのはいいですね。
これによってマージンがなくなるので、航空券の単価を安くできますし、経費も削減できます。
キャビンクルーがおもしろい
キャビンクルーが退屈させないように様々なおもしろいことをしてくれるようです。有名なのが、出発前のアナウンスをラップに乗せてアナウンスするクルーがいます。
なお、これによって経費削減は特にないですが、フルサービスキャリアにはできないサービスです。サウスウエスト航空ならではのサービスではないでしょうか。
機内サービスもソフトドリンクなら無料
LCCでは真っ先に削減されてしまう機内サービスのドリンクサービスですが、サウスウエスト航空は削減しません。ソフトドリンクであれば無料でサービスしてくれます。さらにナッツのおつまみ付き。フルサービスキャリアと変わらないサービスです。
マイレージは完全価格比例制
マイレージサービスがLCCなのにあります。このマイレージは完全価格比例制。つまり購入価格に応じてポイントが貯まる仕組みです。
機体の共通化
サウスウエスト航空ではB737という機体を使っています。これしか利用していないので、乗客はいつもの機体なので座席配置など機体の設備についても慣れたものが利用できます。
世界最大のB737ユーザーでもあるサウスウエスト航空なので、共通の部品を使えるなどのメンテナンスコストを抑えられます。
人件費はコストをカットする要素に含まない
多くのLCCは人件費も費用削減の要素です。例えばセルフチェックイン機を多用するのもLCCなのにの特徴です。受託手荷物を有料化しているのも人件費削減の一つですね。カウンターも少なく常に混雑している印象があります。
サウスウエスト航空は人件費はコスト削減の要素になりません。カウンターは常に十分な人数を確保していますし、パイロット不足なんてこともありません。
サウスウエスト航空のメリット
- 運賃が安い
- 受託手荷物が2つまで無料
- 座席は自由席。先着順。
- 公式サイトのみでの購入。価格比較しなくてもいい。
- 運賃が安いのに十分な機内サービス
などです。飛行機で移動するには十分なサービスが受けられます。
サウスウエスト航空のデメリット
- 早く空港に到着する必要がある
- 座席指定できない
- 同じ機体なのでバラエティに富まない
- 金に物を言う事ができない
- ラウンジがない
- ビジネスクラスやファーストクラスがない
- 空港が辺鄙なところがある
などです。多くは工夫をすれば乗り切れますし、お金があるのならフルサービスキャリアに行けばいいだけですので問題にはならないでしょう。
だいぶ先ですが、来年のアメリカ旅行にはサウスウエスト航空を利用するつもりです。そのときに詳しいレビューを載せていこうと思います。
今回は、アメリカの活気あふれるLCCサウスウエスト航空の紹介でした。
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