概要
ANAの特典航空券は大きく分けて4種類ありますが、今回は提携会社特典航空券・スターアライアンス特典航空券についてのお話です。
- 複雑な旅程も発券できる
- 経由地を含めた発着地指定ができる
- 特典航空券はルールが複雑
- 特典航空券は変更がそこそこ可能
- 取り消し時の注意点
スタアラ・提携会社特典航空券とは
概要
ANAのスターアライアンス・提携会社特典航空券は、ANAを含めたスターアライアンス運航便とアライアンス外の提携会社のマイルを使った特典航空券のことです。
ANAでは、多彩な航空会社を複数絡めた航空券を同じ行程で発券することができます。例えば、日本各地から羽田まではANAで、羽田から海外まではB社、海外から日本まではC社といったような行程も一枚の航空券で発券することができます。ANAの直行便で空席がなかっても、他社の直行便やANAと他社を乗り継ぐ行程も簡単に発券することができます。
以下の旅程のような、ヨーロッパ行きの航空券でも、往路はタイ航空のバンコク経由ですが、復路はANAの直行便で帰ってくる行程も検索できます。
JALの特典航空券は、経由地を含めたいくつかの便の組み合わせから選択する方式です。アマデウスの予約システムを採用する多くの航空会社はこのような検索方法しかできませんが、ANAの特典航空券は経由地・目的地までの航空便を一便ずつ選べるような予約方法があります。
もちろん、通常のような目的地を入力するだけでコンピュータが一括で便を選んでくれる予約方法もありますので、そこらへんは次項でご紹介します。
ルール
ここからは、特典航空券のルールについて、特に気をつけなければならないところを解説します。予約時にその旅程あかんって言われてしまったときに参考にしてみてください。
特典航空券のルールは慣れていても間違ってしまう人が多い複雑なものになっているので、エラーを吐かれても気にせず何度もトライして感覚を掴みましょう!
行き先
目的地は海外になります。ANAの国際線特典航空券は往復での発券しかできないので、日本を出発する旅程であれば日本に必ず帰ってくる必要があります。
ただし、日本であれば着地の指定はないので、変な話北海道を出発地として沖縄を到着地とするのは問題ありません。
旅程は一筆書き
旅程は往路・復路で一筆書きで交わらないようにしなければなりません。
往路で例えば東京を出発して大阪経由で再び東京に帰ってくるルートを組むことはできません。「羽田-伊丹-成田→海外へ」というルートでは、同じ空港は経由していませんが、羽田と成田は同じ東京という都市になるので、この場合発券できないことになります。
同様に、海外であっても、最終目的地に到着前に経由地の選択次第ではフランクフルトに何回も経由していたりするルートを作ってしまいがちなので気をつけてください。この場合、往路到着地と復路出発地を別にして、その間を別の交通機関で手配する方法がスマートです。
乗り換え制限
特典航空券では乗り換え制限があります。
欧州を目的地とする旅程ではアメリカを経由地にはできませんし、目的地より遠いところを経由地にできないといったようなことです。
これらの旅程の航空券は世界一周航空券として発券することになり、この特典航空券とは全く違うシステムで運用されていますので注意してください。
【エリア一覧】(ANAHPより)
エリア 1 | 北米・中米・南米、ハワイなど |
---|---|
エリア 2 | 欧州、中東、アフリカなど |
エリア 3 | 日本、韓国、中国、東南アジア、南アジア、南西太平洋など |
【乗り換え制限のある地点】
目的地出発地 | エリア 1 | エリア 2 | エリア 3 |
---|---|---|---|
エリア 1 | エリア 2、エリア 3 | エリア 3 | エリア 2 |
エリア 2 | エリア 3 | エリア 1、エリア 3 | エリア 1 |
エリア 3 | エリア 2 | エリア 1 | エリア 1、エリア 2 |
途中降機(ストップオーバー)
24時間以上乗り継ぎに時間をかけることを途中降機(ストップオーバー)といいます。この途中降機は旅程中一回限り有効です。
いろんな航空会社を利用できる
この航空券の特徴はいろいろな航空会社を満喫できることでしょう。
日本の航空会社が持っていない往年のジャンボ機(B747)や最新の超大型飛行機(A380)をひと足お先に体験できたり、ドイツ鉄道の旅をしたりと、自分が行きたい旅行をアレンジすることができます。他の会社の特典航空券だと自分でフライトを選べる選択肢が少ないので、ANAのシステムのものすごくいいところだと言えます。ANA予約システムを作ったエンジニアには足を向けて寝られません!!
スタアラ・提携会社特典航空券の予約・発券
予約はネットか電話
予約は、ネットか電話ですることができます。
電話だと専門家であるオペレーターと相談しながら決めることができますが、発券手数料が2000-3000円程度かかってしまいます。専門家への相談料としては非常に安いものですが、自分で経由地を試行錯誤しながら決めることを楽しんで頂きたいので個人的にはネットでとっていただきたいです。
行き先だけ決めてあとはコンピュータにおまかせ
ネットでの予約方法その一は、行き先と出発日だけ決めてあとはコンピューターで最適な経路を選択して貰う方法です。一般の方はこの方法が一般的ですね。
経由地まで詳細に決めたい
個人的におすすめな方法です。上のコンピュータ任せの場合、ビジネスクラスで行きたいのに途中の一時間だけビジネスでそのあと10時間のフライトは空席がないからエコノミーになってるっていう旅程も組まれかねません。自分の旅程は自分で決めましょう!
注意点
ただし、注意点があります。
ルール違反する旅程も表示される
ストップオーバーを2回以上行う旅程なども平気で出てきます。多分一回でスムーズに行くことはないので自分で確認しながらすすめましょう。
また、一筆書きできないようなフライトを組まれていることも多いです。あくまでもその時間に経由地・目的地にたどり着くフライトを表示しているだけということに注意を!
乗り継ぎできない旅程も含まれる
乗り継ぎ最低時間をクリアしていないフライトも同様に表示されます。その場合、結果表示画面で弾かれることになりますので、特に日付が変わる前後のフライトは注意しましょう。
実際の予約方法
では、実際に予約画面から解説していきます。
サイトにアクセス
ANAマイレージクラブの特典航空券のタブから提携航空会社特典航空券予約に進みます。
経由地・到着地とその日付を入力していく
複数都市・クラス混在タブをクリックして、経由する出発地・到着地のフライトを入力していきます。
ここではクラスを選択しません。必ず寄りたいもしくは選択肢を狭めたい場合に入力します。
実際に選択していく
それでは実際に選択していきます。
1.空席待ちは選択できない
実際にフライトを選択していきます。ANA便の他にも、下にあるようあタイ航空のフライトなども掲載されています。この0時20分発の便は残念ながらエコノミークラスしか座席の空席がないようです。
この画面では、ANA便に空席待ちを選択できるところがありますが、これを選択して次に進んでしまうと詰みます。提携会社特典航空券では空席待ちができないので、空席待ちを選択してしまうとANA特典航空券というANA便しか選択できない特典航空券のシステムに自動的に切り替わるので、注意しましょう。
次にバンコクからパリ行きのフライトを選択します。
ここでは、一番上の直行便のほか、経由便があります。ANA便では、羽田経由のパリ行きがありますね。しかし、一筆書きルールに違反するので、これを選んでしまうと即終了になります。
また、東京-バンコクでエコノミークラスを選択した場合でもここでビジネス・ファーストクラスを選択することも可能です。ただし、必要になるマイルは東京-パリのファーストクラスの分必要になります。
同様に、復路もシームレスで検索していきます。
さて、一番下にある便の詳細を御覧ください。急にドイツ鉄道という鉄道を利用する物も出てきました。
実は、ルフトハンザドイツ航空はドイツ鉄道と提携していて、鉄道路線を航空路線の一部として販売しています。なので、ここでは鉄道ですが立派なフライトとして航空券が発行されます。通常の鉄道とは異なるのでチェックインも必要になります。
日本行きのフライトですね。ここでも経由便を含めた行程が選択できます。ここでうっかりフランクフルト経由のフライトをとってしまわないように気をつけましょう。(一筆書きるーr)
こうして、最後のフライトを選択し終わると、何もエラーがなければ旅程表が出てきます。
全旅程が表示されたら成功
旅程にルール違反等があるとこの旅程表が出てくる前にエラーを吐かれますので、これが出てくればとりあえず一安心。あとは、マイルと燃料代・税金を支払って発券するだけです。
スタアラ・提携会社特典航空券の変更
特典航空券の大きな魅力の一つ、変更についてです。提携会社特典航空券の場合、一部取り扱いが異なる場合があります。大きな注意点を上げていきます。
経由地・目的地の変更はできない
経由地・目的地に変更はできません。同じ区間のフライトから変更するものを選択する必要があります。同様に便の追加もできません。そのフライト一区間を同様の一区間に変更する場合のみ対応可能です。
日付の変更は可能
同じフライトで日付を変更することは可能です。ただし、空席がある場合に限ります。
クラスの変更は条件付きで可能
先程の旅程のようにパリまでファーストクラスの航空券として発券している場合、途中のエコノミーのフライトをビジネスやファーストにアップグレードする変更は可能です。
一方、全てエコノミーの旅程であるエコノミークラスの航空券でビジネスクラスにアップグレードはマイルの差額を支払っても変更することはできません。
逆に、ファーストクラスのフライトをエコノミーに変更することは可能です。ただし、航空券自体は変更されないので差額の返還はありません。
フライトの変更は条件付きで可能
フライトの変更は、同じ区間・同じ会社・同じクラスであれば変更できます。
もちろんファーストクラス航空券でエコノミーのフライトからビジネスにアップグレードするなどは条件を満たしていれば変更できます。
他社への変更は不可
他社便への変更はできません。ANA運航のフライトからは同じANAのフライトへしか変更できません。
変更は基本的に電話のみ受け付け
変更は、基本電話のみになります。
ただし、目的地が一つの場合や途中降機がないなど単純な旅程の場合はネットでも変更受付が可能な場合があります。
変更によって差額が発生することも
変更した場合、空港やクラスによって税金が変わってくる場合があります。
また、燃油サーチャージは航空券の発券時の価格になるので、変更する前と変更時でサーチャージの価格が変わっていると差額が発生します。
スタアラ・提携会社特典航空券の取消
取り消しは電話のみ・手数料は3000マイル
航空券の取り消しは電話でのみ行うことができます。
取消手数料は一人に付き3000マイルとなっています。一部のみ取り消しということはできません。
マイルの返還時期
マイルは取り消し手続き完了後すぐに払い戻されます。ただし、払い戻し時点で有効期限を迎えているマイルは返還されません。
座席の開放時期
座席も取り消し手続き完了後すぐに開放されます。旅程の一部を変更したいための取消の場合は取消の電話をした後すぐに航空券の予約をしておきましょう。(ただしその数秒の間に埋まってしまうことも…)
税金の返還時期
税金も、取り消し手続き後すぐに返品処理を行うようですが、即時利用枠開放とは行かないようです。また、締め日を跨いでいる場合は次回返金対応となりますのでご注意を。
皆様もぜひチャレンジを!
こんだけ長々とお話しましたが、まだまだ知らないことがたくさんあります。
奥の深いANAの特典航空券をぜひ皆様もマイルを貯めてチャレンジしてください!!
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